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研修医の広場

2年目の救急科ローテーションを終えて

初めまして。2年目初期研修医のYです。
2年目の救急科ローテーションを終えて個人的な感想です。

2年目の救急科は、外病院から来た2年目のA研修医と当院1年目のB研修医と3人の布陣で研修しました。私の1年前の救急科の研修は7月だったので、ちょうど1年ぶりでした。1年目の時は救急外来に慣れることが精一杯でしたが、1年間の日直・当直での救急対応を通じて、診察・画像診断など成長した部分を感じました。一方で、この1年は夜間の対応がメインであったため、救急科としての初期治療やアセスメントについて再度、学ぶ機会が多くありました。当院1年目のB研修医は優秀で落ち着いていて、特に何かを教えたというわけでもないですが、一番仲いい2年目と言ってもらえて、超うれしかったです。

今回の研修中に私が気になったことは、診療に難渋している症例について検索していると外病院から来た2年目のA研修医がChatGPTに質問していたことです。当院では胸部X線撮影の読影にAIが導入されていますが、個人単位での使用に関心を持ちました。 ChatGPTは高度なAI技術によって、人間のように自然に会話ができるチャットサービスで、2022年11月に公開されて以来、精度の高さが話題となり利用者が急増しています。ChatGPTは翻訳や文章の要約、作成を得意としており、医療現場では欠かせない正確な事実のリサーチは苦手とされています。情報源の信頼性に課題がありChatGPTの回答は一度吟味する必要がありますが、それでも診療の手助けになりうると感じました。
例えば、「救急外来で頭痛を主訴に救急車で搬送された患者。収縮期血圧250mmHg。診察方法は?」と質問すると、「頭痛を主訴に収縮期血圧が250 mmHgの患者が救急外来に搬送された場合、高血圧緊急症を強く疑う必要があります。この状況では、迅速かつ体系的な診察と評価が求められます。以下はその診察方法の流れです。」と始まり、①バイタルサインの確認、②詳細な病歴の確認、③身体診察、④初期検査の実施、⑤治療方針の決定と記載があり、「この状況では、迅速かつ組織的な評価と対応が求められます。頭痛が強く、血圧が非常に高い場合、脳や心血管系の合併症を最初に排除し、適切な治療を早急に開始することが命を救う鍵となります。」と最後に記載されています。
実際の検査内容や、初期治療の薬物の用量などは成書を確認するべきですが、診察する上での鑑別疾患や注意点、見逃してはいけないポイントを丁寧に記載されていたのは感心しました。また、気になる点を詳しく再度質問できるのも特徴ではないでしょうか。何度もお伝えしているように情報源の信頼性には課題がありますが、利用価値は十分あると思いました。

今後の医療現場ではカルテの要約やサマリー・紹介状の作成など医師の事務作業に活用できる可能性もあり、そのような生成AI搭載の電子カルテも開発が進められているようです。人員不足の医療現場で、医療業界を大きく変えるような話題であり、遠い未来のことでもないと実感した出来事でした。

最後に、ドクターヘリのOJT(On the Job Training)で撮影した写真を紹介します。
以上、2年目研修医Yでした。

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