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診療科紹介

腎臓内科

腎臓内科

診療科の概要

2009年末での日本全国の維持透析患者数は29万人余りとなり、年間約1万人のペースで増え続けています。
以前には「腎臓の働きを回復させることは困難で、徐々に悪化するだけ」と考えられていた腎臓病は、現在では治療が可能な疾患へと変わりつつあります。
特にここ数年慢性腎臓病(chronic renal disease:CKD)という概念が提唱されるようになり、末期腎不全に至る前にできるだけ早期に腎臓病を発見し、的確な治療を行うことの重要性が再認識されています。
早期発見・早期治療は腎臓病自体の治癒を期待できる可能性があるだけではなく、適切な治療を行うことにより腎不全の進行を遅らせ、透析療法の開始を先延ばしすることも可能となってきました。
また慢性腎臓病そのものが脳梗塞・心筋梗塞などに代表される心血管病(cardiovascular disease:CVD)の強い危険因子となっています。このため慢性腎臓病の治療が場合によっては致死的ともなる心血管病への対策としても重要視されています。

当科では腎疾患の早期診断に積極的に取り組み、早期腎炎から慢性腎臓病、末期腎不全・透析管理に至るまでの総合的治療・管理を行っています。
また当院は高度救命センターを有する急性期病院でもあることから、急性血液浄化療法を必要とする患者様に対しても、院内各科と連携をとりながら集学的治療を行っています。

診療内容

腎炎・ネフローゼ
腎炎・ネフローゼ症候群が疑われる患者様には積極的に腎生検を施行し、臨床所見と病理組織学的診断を合わせて治療方針を決定しています。必要があると判断された場合には、ステロイド剤や免疫抑制剤、血漿交換療法等による治療を行います。 また慢性腎炎の中でもっとも多いIgA腎症では、腎生検の結果をふまえ「扁桃腺摘出術とステロイド療法」を施行し、血尿・蛋白尿の減少や消失というような良好な治療成績をおさめています。
慢性腎不全
慢性腎不全の診療は主に進行の抑制に重点を置き、薬物療法・食事療法に積極的に取り組んでいます。さらに腎臓病に合併する心血管疾患の予防や治療を行っています。 慢性腎臓病を初めて指摘された方や自宅での管理に不安をお持ちの患者様には、教育・治療のための入院を勧めています。 また当科では定期的に腎臓病教室(毎週木曜日、14時から)を開催し、患者様だけではなくご家族の方にもご参加いただき、腎臓の働きや食事療法への理解をえられるように努めています。
末期腎不全
治療を行っても残念ながら末期腎不全に近付いてきた患者様には、腎代替療法が必要となります。腎代替療法には血液透析、腹膜透析、腎移植があり、当院では血液透析と腹膜透析を実施しています。患者様のご希望やQOLを十分に考慮したうえで治療法を選択していただき、準備から導入までを行っています。

血液浄化センター

当院の血液浄化センターは慢性腎不全の患者様の血液透析療法、腹膜透析療法を中心に、神経疾患や自己免疫疾患等のために血漿交換療法や免疫吸着療法等あらゆる血液浄化を必要とする患者様に対して治療を行っております。
現在月水金、火木土いずれも午前(9:00~14:00)、午後(14:00~19:00)の2クールで行っております。
また当院は当地区のセンター病院の1つであることから、24時間いつでも緊急時の血液浄化に対応できるように体制を整えております。

旅行や帰省にて当院での透析を希望される患者様は、お気軽にご相談ください。
随時対応させていただきます。

  • 血液透析装置 30台(多人数用 28台、個人用 2台)
  • アフェレーシス装置 6台
  • 腹水濾過濃縮 1台

医師紹介

診療・手術実績

2023年(1~12月)

項目患者数
外来新患数406
外来延数21,176
新入院数566
項目件数
創傷処理14
皮膚切開1
PDカテーテル出口部変更術6
PDカテーテル抜去術11
体外ペースメーキング術1
末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)69
四肢の血栓除去術1
経皮的シャント拡張術・血栓除去術117
連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術22

血液浄化センター実績

透析療法

平成22年度平成23年度平成24年度平成25年度
外来血液透析患者69名82名81名79名
外来腹膜透析患者24名28名44名52名
他科入院透析44名80名87名90名

アフェレーシス療法

平成22年度平成23年度平成24年度平成25年度
血漿交換療法49回28回105回90回
免疫吸着療法55回42回35回7回
LDL吸着療法18回4回2回
二重濾過血漿交換療法5回
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