旭川大腿骨頸部骨折地域連携パス
《旭川大腿骨頸部骨折地域連携委員会について》
大腿骨頸部骨折は、足の付け根の骨折で高齢者に多く転倒などで受傷します。寝たきりになることが多いため、早期に手術し、運動開始、離床を図ります。
これまでは、1つの病院で手術とリハビリテーションを行っていましたが、地域の病院が共同で治療計画を立て、それぞれの得意分野を担当する「地域完結型医療」を推進しています。急性期病院は手術を受け持ち、状態が落ち着くまで術後約2週間入院します。その後、転院先の病院では受傷前に近づくよう歩行能力の獲得・向上を目標にリハビリを行います。
旭川大腿骨頸部骨折地域連携委員会はこの地域連携を目的として、2009年6月に設置しました。現在、連携している医療機関は次のとおりです。
参加医療機関
- 旭川赤十字病院
- 旭川三愛病院
- 旭川リハビリテーション病院
- 北彩都病院
- くにもと病院
- 進藤病院
- 大雪病院
- 道北勤医協一条通病院
- 豊岡中央病院
- 豊岡内科整形外科クリニック
- 森山メモリアル病院
- 吉田病院
- 旭川脳神経外科循環器内科病院
各医療機関との円滑な連携推進、患者様を中心とした切れ目のない連携を行うために、地域連携パスを作成しています。当委員会では旭川クロスネット(地域連携システム)を用いてオンライン上で地域連携パスをやり取りしています。地域連携パス以外にも、旭川赤十字病院の電子カルテ・画像・紹介状も連携医療機関に提供し、診療に役立てています
各医療機関のパス
~医療機関のみなさまへ~
当委員会では、旭川大腿骨頸部骨折地域連携パスにご参加いただける医療機関を募集しています。 詳しくは下記事務局までご連絡ください。
附録
《大腿骨頸部骨折、転子部骨折とは》
大腿骨頚部骨折とは太ももの骨(大腿骨) の脚の付け根に近い部分の骨折です。かつては股関節の関節包より内側で骨折する「内側(ないそく)骨折」と、関節包の外側で骨折する「外側(がいそく)骨折」と言っていましたが、今は内側骨折を頚部、外側は転子部と言い、総称して大腿骨近位部骨折と呼ぶことが多い。内側骨折では非転位型か転位型かの、転子部骨折では安定型か不安定型かの診断をし、治療方針を決めます。
【Gardenの分類(頸部骨折)について】
Stage Ⅰ、Stage Ⅱは非転位型
Stage Ⅲ、Stage Ⅳは転位型
【Evansの分類(転子部骨折)について】
【疫 学】
2023年日本全国で頚部、転子部骨折の年間発生数は10万人。(うち60歳以上は86,000人)
旭川で年間約600人
旭川赤十字病院では年間約300人の症例を手術
《旭川赤十字病院の治療方針》
【旭川赤十字病院の手術時期の方針】
受診当日(受傷日とは限らないが)の手術を原則。
ほぼ90%以上当日手術。
旭川赤十字病院の方針 《頸部骨折》
安定型の骨折は、スクリューを用いた骨接合術を行います。
不安定型は、セメントレス人工骨頭を用います。
非転位型であっても、高齢者は人工骨頭や ・・・・・・
転位型であっても、若年者は骨接合を行う場合もあります。
旭川赤十字病院の方針 《転子部骨折》
早期に骨接合にて 骨折部の安定化を図る。
内固定金属は ショートネイル型の金属が主体。