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研修医の広場

当院での初期研修の特徴

 2年目研修医矢田です。いよいよ2年目の研修医日記の作成が終盤になってきました。
 今回の研修医日記は、これまで1年半が経過した段階で感じる、当院での初期研修の特徴的な点をいくつか説明しようと思います。
 まず、当院は全体的に忙しい病院であると思います。上川地区・道北の中核病院であるだけでなく、救命救急センター併設、24時間体制で手術もカテも行う脳卒中対応、各診療科・検査室・手術室等も24時間緊急対応可能な体制を持つ病院です。
 研修医としては、ローテーション中の診療科での研修等と、救急外来当直等の対応が主な日課ですが、様々な仕事を任せていただけます。
 僕はこれまでに研修スケジュール上、他院での研修は全て終了しましたが、比較をすると、やはり当院での研修は楽な仕事ではないと思います。

当院の窓から見える景色。晴れた朝の回診時にはとても気持ちが良いです。
他の日記で室内の風景が続くので、たまには外の景色も!

 しかし、当院では全ての職種の方が同じ環境であるためか、たとえ当直帯であっても、スムーズに全てが進む、大変有難い環境です。そして、優秀な方が多く、我々の至らない部分をサポートしていただいています。感謝する限りです。上記のような事情から、他の研修医日記にもありますが、救急外来での研修で様々な症例を経験できます。特に、脳神経疾患の疑い症例や外傷症例は当院へ搬送されることが多いです。

 僕個人では、意識障害症例の原因でAIUEOTIPSがありますが、そのうち(細分化するとややこしいので頭文字の)P以外を全て経験したり、交通・転落・その他外傷などで、頭部、体幹部内臓や四肢等の各種損傷を経験したり、ACSによる心原性ショック症例でACLSをしたりといった刺激的な経験をしています。もちろん、一般症例も多く経験します。あくまで、「上級医の先生方の下で」であり、一人で安全に対処できるように修練したいと感じる日々です。
 上級医の先生方は教育的な先生方が多く、高圧的な先生はいません。日々指導や助言をいただいています。大変恵まれています。無駄にせぬよう、しっかりやらなければ、となります。

海と湖に挟まれた、地域研修先の礼文町船泊診療所(中央右白い建物の右上小豆色の建物)。島北部船泊地区にあり、島の暮らしを支えます。
学生の頃に訪ねて以降好きな所で研修の機会を得られました。

 小児科・産婦人科・精神科の研修では、他院へ行くことができます。当院に無い診療科やより充実した診療科があります。僕は複数の診療科で希望して他院へ行き、充実した研修を行うことができました。診療科の研修だけでなく、当たり前と思い込んでいたローカルルールが当たり前でない発見をしたり、他院の研修医の実際を見たり、様々な面で良い経験となりました。
 また、地域研修では道内各地の病院が選択肢にあり、その地域特有の医療を実感できます。既に地域研修は終了しましたが、所謂common diseaseを始めとして日常診療に関わることができ、様々な経験を得られました。
 また、普段は患者さんを高次医療機関へ引き継ぐ経験は少ないですが、その経験もしました。地域研修に関して詳しくは先輩方の日記を参照してください。

礼文島の桜。日本の再北限に咲きます。少し時期を外しました。5月中旬。

 そして、当院の研修医室等の環境は良い方であると思います。各自の机は十分なスペースが確保され、研修医室内に電子カルテが設置され、書籍も揃っています。当直室・ベッドは研修医専用の個室があり、さらにリラックスルームなる部屋も存在します。十分すぎるくらいに充実しているため、他院へ行っている間は少し落ち着きませんでした。このあたりも詳しい日記があるので見てください。

麻酔科をローテーションする前のルート確保の練習。研修医同士で練習します。
僕は彼の手背の血管を串刺しにし、痛い皮下血腫を作りました。ごめんなさい。

 病院周辺は綺麗な所が多く、近くには通称サンロク街という歓楽街があり、札幌まで特急電車で1時間半以内など、コロナ禍でなければ休日も充実した環境です。
 これを見る皆さんが当院で研修医をする頃には満喫できる世の中に戻ることを願います。

 当院での研修は、大変な所もあると思いますが、経験できることが多く、積極的にやりたいと思う人には良い環境であると思います。道内で当院と似たような雰囲気の病院を検討される方は是非、そうでなくとも初期研修を頑張ってみたい方も、一度当院を見学されてはいかがでしょうか。
 日中興味のある診療科の雰囲気を見学し、見学申し込み時事前に希望があれば当直見学(17:00~22:00まで)で救急外来を見学することもできます。見学されれば、(処遇のこととかも!含めて)研修医からお話しできることもあるので、いかがでしょうか。

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