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診療科紹介

外科

外科

診療科の概要

 当科は常勤医師9名で診療を行なっています。腹部消化器疾患全般から乳腺疾患に対する外科治療まで、さまざまな疾患に対応しています。各関連学会指導医・専門医が複数名在籍しており、診療の質・手術の質の向上に努めています。
 当科では低侵襲なロボット支援下手術、腹腔鏡下手術を積極的に導入しております。
 多くの消化器癌予定手術で、術前から周術期多職種連携チーム*が積極的に患者様に関わり支援することで、手術後の早期回復や、周術期合併症率の低下に努めています。
 当科は救命救急センターとも連携し、緊急手術を必要とする疾患(急性腹症や外傷症例)にも24時間365日体制で対応しています。
 日本乳腺外科学会専門医、認定医を中心とした乳癌治療を行なっています。乳房再建術(一次再建、二次再建)も当院形成外科の協力で実施しています。
 肥満症に対する減量手術も行なっており、道北で唯一の認定施設となっています。

 *多職種連携チーム:外科医師だけでなく、看護師、管理栄養士やリハビリ技師といったさまざまな専門職で構成され、周術期の患者様をサポートするチーム。

主な対象疾患

大腸癌
現在、約9割の大腸癌症例に対し、最新鋭機であるダヴィンチXi(da Vinci Xi surgical system)によるロボット支援下手術を行なっています。当院のロボット支援下大腸癌手術件数は非常に多く、道内でも有数の症例数を誇っています。難易度が高い直腸癌に対してはTaTME(Transanal Total Mesorectal Exision:経肛門的直腸間膜切除術)を施行し、根治性の向上、肛門温存率の向上に努めています。
胃癌
現在、ほぼ全例の胃癌に対し、ダヴィンチXiによるロボット支援下手術を行なっています。また、可能な限り胃全摘は回避し、根治性を担保しつつ機能を温存することを目的とした、幽門側胃切除術や噴門側胃切除術を積極的に行なっています。切除困難症例に対して化学療法を行うことで病変縮小が得られ、引き続き切除手術を行うことができた症例も徐々に増えています(Conversion surgery)。
肝胆膵悪性疾患
難治癌の代表である膵癌、胆道癌に対し、高難易度手術(膵頭十二指腸切除術、尾側膵切除術など)を積極的に行なっています。消化器内科とも連携し、進行癌に対しては集学的治療(術前化学療法、術後化学療法など)を行い、予後の向上(再発率の低下など)を目指しています。とくに難易度の高い症例では、肝胆膵領域で国内トップレベルである北海道大学病院消化器外科学教室IIとも連携し治療にあたっています。
切除不能膵癌についても、化学療法を行うことで病変縮小が得られ、引き続き切除手術を行うことができた症例が徐々に増えています(Conversion surgery)。
転移性肝癌や原発性肝癌(肝細胞癌など)に対する肝切除術も行なっています。症例によっては傷が小さく低侵襲である腹腔鏡下肝切除術を選択しています。
乳癌
北海道大学乳腺外科から女性医師(日本乳腺外科学会乳腺認定医)が、2025年4月より新たに常勤医として赴任しております。すでに在籍している日本乳腺外科学会乳腺専門医、認定医に加わる形で,さらに診療体制を強化しております。月、火、木、金曜日に、専門医師による外来を開設しています。
症例に応じて乳房温存手術も行なっております。臨床上明らかな腋窩リンパ節転移を認めない症例に対しては、センチネルリンパ節(最初に転移が成立するリンパ節)生検を行い、腋窩リンパ節郭清の適応の縮小化を図っています。乳房再建術(一次再建、二次再建)も、当院形成外科の協力で実施しています。
乳腺外科のページ
肥満症に対する減量手術
糖尿病、高血圧症、高脂血症、睡眠時無呼吸症候群のいずれかを伴う肥満症に対する減量手術を行っております。現在、道北で唯一の認定施設となっており、適応患者様には保険診療で手術を受けていただくことが可能です。
肥満症に対する減量手術についてのページ
急性虫垂炎
原則として腹腔鏡下手術を行っています。膿瘍形成症例では、保存療法で炎症を沈静化したあとで手術を行うこともあります(interval appendectomy:待機的虫垂切除術)。
胆石症
ほとんどの症例に対し、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行なっています。
急性胆嚢炎症例で、患者様の状態によっては急性期手術を選択することもあります。
急性腹症、外傷、その他外科救急疾患
当院では救命救急センターが設置されており、ドクターヘリや救急車で搬送された患者様、他院から紹介された患者様、ウォークイン受診の患者様などに24時間365日体制で対応しています。
急性腹症とは急激に発症した激しい腹痛を有する急病の総称で、早急に診断して緊急手術を行わないと死に至る状態も含まれます。消化管穿孔、絞扼性腸閉塞、進行癌に伴う急性腹症、ヘルニア嵌頓、汎発性腹膜炎といった緊急性の高い疾患に対し、救命救急センターで専門医が診察、必要に応じ即時緊急手術を行なっています。
また、交通事故や転落事故などによる重症外傷/多発外傷に対しては、麻酔科、救急科、脳神経外科、整形外科、呼吸器外科、心臓血管外科、放射線科といった他の専門診療科とも連携し、高度な治療(全身管理、緊急手術、術後集中治療など)を提供しています。
そけいヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、その他ヘルニア
そけいヘルニアに対しては、腹腔鏡下ヘルニア修復術を第一選択としています。前立腺癌根治術後など強い癒着が想定される症例では、前方アプローチ法で対応することもあります。
腹壁瘢痕ヘルニアに対しても、多くの症例に対して、癒着防止加工がなされたメッシュを腹腔内に留置する腹腔鏡下ヘルニア修復術(IPOM法:IntraPeritoneal Onlay Meshや、IPOMプラス法)を行っています。
その他、再発ヘルニアや特殊なヘルニアについても、腹腔鏡下手術などで対応しています。
肛門疾患
痔疾患など肛門領域の診療・治療を行なっております。ALTA4段階硬化療法(ジオン注射)実施資格を有する医師も在籍しており、痔のタイプによっては切らずに注射で、短期間で痛みも少なく治療することも可能です。

*診療情報の取り扱いについて*
 当科では、個人が特定されない形で、受診患者様の診療情報を、研究目的に学会発表や論文に利用させていただくことがあります。
 もし、診療情報等を研究目的に利用、または提供されることを希望されない場合は、いつでも医師やその他スタッフにお申し出ください。
 なお、ご協力いただかない場合においても、患者様に不利益は一切ございません。

施設認定

日本外科学会外科専門医制度修練施設
日本消化器外科学会専門医制度修練施設
日本消化器外科学会認定医・専門医制度関連施設

医師紹介

診療・手術実績

2023年(1~12月)

 項目患者数
外来新患数534
外来延数6,018
新入院数817

2023年(1~12月)

項目件数
創傷処理22
皮膚切開4
デブリードマン2
皮膚腫瘍摘出術1
皮膚悪性腫瘍切除術1
皮弁作成術,移動術,切断術,遷延皮弁術1
筋肉内異物摘出術1
乳腺腫瘍摘出術4
乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術44
乳腺悪性腫瘍手術36
胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術3
横隔膜縫合術1
抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置21
血管塞栓術1
リンパ節摘出術6
ヘルニア手術24
腹腔鏡下ヘルニア手術7
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)37
試験開腹術6
腹腔鏡下試験開腹術5
腹腔鏡下試験切除術7
経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術2
急性汎発性腹膜炎手術18
腹腔鏡下汎発性腹膜炎手術3
大網腫瘍摘出術1
腸間膜腫瘍摘出術2
腹腔鏡下大網、腸間膜、後腹膜腫瘍摘出術2
後腹膜悪性腫瘍手術1
骨盤内臓全摘術1
胃縫合術1
腹腔鏡下胃・十二指腸潰瘍穿孔縫合術4
内視鏡的消化管止血術2
胃局所切除術2
腹腔鏡下胃局所切除術1
胃切除術4
腹腔鏡下胃切除術26
腹腔鏡下胃縮小術4
腹腔鏡下胃全摘術8
胃腸吻合術4
腹腔鏡下胃腸吻合術8
胃瘻造設術2
胆嚢摘出術3
腹腔鏡下胆嚢摘出術100
胆嚢悪性腫瘍手術2

項目件数
腹腔鏡下胆嚢悪性腫瘍手術1
胆管悪性腫瘍手術1
肝門部胆管悪性腫瘍手術1
総胆管胃(腸)吻合術2
経皮的胆管ドレナージ術1
内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術1
内視鏡的胆道結石除去術1
肝切除術4
腹腔鏡下肝切除術3
膵中央切除術1
膵体尾部腫瘍切除術4
腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術2
膵頭部腫瘍切除術13
膵管空腸吻合術1
脾摘出術1
腹腔鏡下脾摘出術2
腸切開術1
腸管癒着症手術22
腹腔鏡下腸管癒着剥離術19
小腸切除術16
腸閉塞症手術2
腹腔鏡下小腸切除術8
小腸腫瘍摘出術1
腹腔鏡下虫垂切除術36
結腸切除術34
腹腔鏡下結腸切除術7
腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術55
早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術1
腸瘻造設術2
人工肛門造設術26
腹腔鏡下人工肛門造設術19
腸閉鎖症手術2
小腸瘻閉鎖術2
人工肛門閉鎖術10
人工肛門形成術1
直腸腫瘍摘出術1
直腸切除・切断術(切断術)1
腹腔鏡下直腸切除・切断術46
痔核手術7
肛門周囲膿瘍切開術1
肛門良性腫瘍切除術1
膀胱壁切除術1
膀胱単純摘除術1
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