心臓血管外科
診療科の概要
当科は成人の心・大血管・末梢血管・肺疾患と幅広く診療にあたっています。救命救急センターを標榜する病院の心臓血管外科であるため、急性大動脈解離、急性冠疾患、大動脈破裂、急性上肢・下肢動脈閉塞などは緊急で手術にあたっています。心・大血管は安心・安全に重きを置いて全力で取り組んでいます。大動脈瘤に関しては、ステントグラフトを導入し6年経ちましたが、高齢患者さんの満足度も高く、高齢であっても受けて頂きたいと思っています。末梢血管はこれまで通りバイパス手術も継続しますが、デバイスの進歩が著しいカテーテル治療に力を注ぎ、低侵襲化を進めていきます。静脈瘤はストッキング・ストリッピングに加え硬化療法で簡便な治療を心がけています。静脈血栓書症は認知度が上がり、紹介患者数も多くなりましたが、ワーファリンに取って代わるNOACにより外来診療で対応できることが多くなりました。肺癌に関しては、昨年から大学より手術日に外科医に来ていただいて継続しております。
主な対象疾患
- 成人性疾患
- 虚血性疾患(狭心症、心筋梗塞)、弁膜症(大動脈弁、僧房弁)、肺動脈血栓症
- 成人大血管
- 急性大動脈解離、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤
- 末梢血管
- 末梢動脈疾患、静脈瘤などの静脈疾患、静脈血栓症
- 肺癌、気胸
医師紹介
診療・手術実績
手術実績:2019年度
ステントグラフト内挿術 | 38 |
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血管移植術(その他の動脈) | 49 |
経皮的シャント拡張術 | 21 |
四肢の血管拡張術 | 40 |
下肢静脈瘤手術 | 15 |
内シャント血栓除去術 | 30 |
人工心肺(初日) | 39 |
バイパス移植術 | 6 |
下大静脈フィルター除去術 | 0 |
下大静脈フィルター留置術 | 0 |
大動脈瘤切除術 | 16 |
動脈塞栓除去術 | 7 |
弁置換術 | 10 |
内シャント設置術 | 18 |
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冠動脈バイパス移植術 | 20 |
胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 | 32 |
大動脈バルーンパンピング法 | 3 |
胸腔鏡下肺切除術 | 23 |
創傷処理 | 9 |
動脈形成術(その他の動脈) | 4 |
血管結紮術(その他) | 1 |
弁形成術 | 6 |
大伏在静脈抜去術 | 1 |
胸腔鏡下肺縫縮術 | 0 |
血管露出術 | 1 |
心膜縫合術 | 1 |
計 | 390 |
当科はNCD登録事業に参加しています
当科は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。
この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。
この法人における事業を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当科が患者さんに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
- 1.NCDに登録する情報の内容
- 2011年1月1日以降、当科で行われた手術と治療に関する情報、手術や治療の効果やリスクを検証するための情報(年齢や身長、体重など)を登録します。NCDに患者さんのお名前を登録することはなく、氏名とは関係のないIDを用いて登録します。IDと患者さんを結びつける対応表は当科で厳重に管理し、NCDには提供しません。
- 2.登録する情報の管理・結果の公表
- 登録する情報は、それ自体で患者さん個⼈を容易に特定することはできないものですが、患者さんに関わる重要な情報ですので厳重に管理いたします。
当科及びNCDでは登録する情報の管理にあたって、情報の取り扱いや安全管理に関する法令や取り決め(「個人情報の保護に関する法律」、「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等)を遵守しています。
データの公表にあたっては、NCDが承認した情報のみが集計データとして公表されます。登録するデータがどなたのものであるか特定されることはありません。 - 3.登録の拒否や登録情報の確認
- データを登録されたくない場合は、登録を拒否して頂くことができます。当科のスタッフにお伝えください。 また、登録されたご自身のデータの閲覧や削除を希望される場合も、当科のスタッフにお知らせください。なお、登録を拒否されたり、閲覧・修正を希望されたりすることで、日常の診療等において患者さんが不利益を被ることは一切ございません。
- 4.NCD担当者の訪問による登録データ確認への協力
- 当科からNCDへ登録した情報が正しいかどうかを確認するため、NCDの担当者が患者さんのカルテや診療記録を閲覧することがあります。
当科がこの調査に協力する際は、NCDの担当者と守秘義務に関する取り決めを結び、患者さんとIDの対応表や氏名など患者さんを特定する情報を院外へ持ち出したり、口外したりすることは禁じます。 事業への参加に関してご質問がある場合は、当科のスタッフにお伝えください。また、より詳細な情報は下記に掲載されていますので、そちらもご覧ください。